親を責めずに詐欺被害を確認する聞き方

親を責めずに詐欺被害を確認する聞き方

親が詐欺メールや怪しいSMS、電話に反応してしまったかもしれない時、家族は早く状況を知りたくなります。
ただ、最初から問い詰めると、本人が恥ずかしさや不安から話しにくくなり、カード情報や銀行情報、認証コード、送金の有無など大事な確認が遅れることがあります。

大切なのは、親を責めることではなく、何を見て、どこまで操作し、どの情報を相手に伝えたのかを順番に確認することです。
この記事では、親を責めずに話を聞く言い方、家族LINEで使える確認文、入力した情報ごとの対応、警察や家族を名乗る電話への聞き方、次に同じことが起きた時の家族ルールまで整理します。

この記事でわかること

・親を責めずに最初にかける安心の言葉
・リンクや入力など行動段階ごとの確認順
・カード情報や銀行情報を入力した時の聞き方
・次に同じ不安が起きた時の家族ルール

目次

親を責めずに詐欺被害を確認する聞き方

親が詐欺メールや怪しいSMS、電話に反応してしまったかもしれない時、家族が最初にすることは「本当に詐欺だったのか」を問い詰めることではありません。
まず必要なのは、親が何を見て、どこまで操作し、どの情報を相手に伝えたのかを落ち着いて切り分けることです。

責める言い方になると、本人が恥ずかしさや不安から話しにくくなり、カード情報や銀行情報の入力、電話、アプリ操作などの重要な事実が出てこないことがあります。
「怒っていない」「今から止められることがあるか見たい」という姿勢で聞くと、必要な確認に進みやすくなります。

・最初に伝える安心の一言
・「大丈夫?」より行動で聞く
・責めているように聞こえるNG例
・家族LINEで送れる確認文
・話したがらない時の聞き出し方

最初に伝える安心の一言

親に最初にかける言葉は、事実を聞き出すための土台になります。
いきなり「詐欺に引っかかったの?」と聞くと、本人は責められているように感じやすくなります。

最初は、次のように伝えると話しやすくなります。

「怒っていないから、どこまで進んだか一緒に見たい」
「今から止められることがあるかもしれないから、画面を一緒に確認したい」
「覚えている範囲で大丈夫だから、順番に教えて」
「間違えたかどうかではなく、カードや銀行を守るために確認したい」

大切なのは、親の判断を責めることではなく、これ以上の被害を防ぐことです。
高齢の家族が消費者トラブルにあった時は、周囲の見守りや声かけが重要です。
本人が困っている様子に気づいたら、落ち着いて話を聞き、必要に応じて消費生活センターなどにつなぐ考え方が案内されています。(出典:消費者庁公式サイト

最初の一言で「責められる」と感じさせないことが、その後の確認をスムーズにします。
親が話し始めたら、途中で否定せず、まずは最後まで聞くことを優先してください。

「大丈夫?」より行動で聞く

親に「大丈夫?」と聞くと、多くの場合は「大丈夫」と返ってきます。
ただ、その「大丈夫」は、何もしていないという意味とは限りません。

本人は、リンクを押したことを大きな問題だと思っていないかもしれません。
電話で相手に番号を伝えたことを「入力した」と認識していない場合もあります。
そのため、質問は行動ごとに分ける必要があります。

聞き方は、次のように具体化します。

  1. メールやSMSを開いた?
  2. その中のリンクを押した?
  3. 名前、住所、電話番号を入れた?
  4. IDやパスワードを入れた?
  5. カード番号や銀行の情報を入れた?
  6. 届いた数字や認証コードを入れた?
  7. 相手に電話した?
  8. 何かアプリを入れた?
  9. お金を振り込んだり送金したりした?

「詐欺だった?」ではなく、「何をした?」を聞くのがポイントです。
事実が分かれば、カード会社、銀行、警察相談、消費生活相談など、次に連絡する先を選びやすくなります。

親が「よく覚えていない」と言う時は、記憶だけに頼らないようにします。
SMS、メール、通話履歴、アプリ一覧、カード明細、銀行アプリの利用履歴などを一緒に見ると、行動段階を確認しやすくなります。

責めているように聞こえるNG例

家族としては心配で言っているつもりでも、親には責められているように聞こえる言葉があります。
次のような言い方は避けた方が安全です。

・なんで押したの?
・普通はそんなの信じないよ
・またやったの?
・詐欺に決まっているでしょ
・どうして先に相談しなかったの?
・もうスマホを触らないで

こうした言葉は、本人が黙ってしまう原因になります。
特にカード番号、暗証番号、認証コード、送金の有無は、家族が早く知りたい情報です。
その情報を聞き出す前に責めると、必要な対応が遅れる可能性があります。

言い換えるなら、次のようにします。

・「どこまで進んだか一緒に見たい」
・「今なら止められる手続きがあるかもしれない」
・「カードと銀行だけ先に確認しよう」
・「相手に何を聞かれたか、覚えているところだけで大丈夫」
・「誰でも焦る内容だから、今から一緒に対応しよう」

親を安心させる言葉は、甘やかすためではありません。
必要な事実を早く確認し、被害を広げないための聞き方です。

家族LINEで送れる確認文

離れて暮らす親には、電話よりも先にLINEやSMSで短く送る方が話しやすいことがあります。
ただし、長い説明や強い言葉は避け、親がすぐ返せる内容にします。

そのまま使える文例は、次の通りです。

「怒ってないから安心して。
画面を消す前に、届いたメールかSMSのスクショを送ってくれる?」

「カード番号や銀行の暗証番号を入れたかだけ、先に教えて。
入れていなければ、そこで一度落ち着けるよ。」

「電話で相手に数字を伝えた?
SMSに届いた番号や、ワンタイムパスワードみたいなものがあったか知りたい。」

「何かアプリを入れるように言われた?
入れたなら、今は相手との電話を切って、追加操作をしないでね。」

「詐欺かどうかを責めたいんじゃなくて、カードや銀行を止める必要があるか見たいだけだよ。」

スクリーンショットを送ってもらう時は、リンクをもう一度開かせないようにします。
メールやSMSの画面、通話履歴、アプリの名前など、今残っている画面を撮ってもらうだけで十分です。

フィッシングと思われるメールやSMSは、リンクをクリックせず、メールなら転送、SMSならスクリーンショットを添付する案内があります。(出典:フィッシング対策協議会公式サイト

話したがらない時の聞き出し方

親が話したがらない時は、本人の中に「怒られる」「恥ずかしい」「迷惑をかけたくない」という気持ちがあるかもしれません。
その場合、最初から詳しい経緯を聞こうとすると、かえって話が止まります。

まずは、確認する範囲を絞ります。

「全部を今すぐ話さなくていいから、カードだけ見よう」
「銀行の暗証番号を入れたかだけ先に確認したい」
「相手に電話したかどうかだけ教えて」
「振込や送金があったかだけ知りたい」

本人が言いにくそうな時は、「間違えたかどうか」ではなく「止める手続きが必要か」を前面に出します。
家族が知りたいのは、親を責める材料ではなく、守るための情報です。

それでも話せない時は、画面を一緒に見る方法に切り替えます。
メール、SMS、通話履歴、カード明細、銀行アプリ、入れたアプリを確認すれば、本人がうまく説明できなくても分かることがあります。

親が「もう消した」と言った場合でも、通話履歴やカード明細、銀行の取引履歴など、別の場所から確認できることがあります。
焦って問い詰めるより、残っている情報を一つずつ見る方が現実的です。

親が何をしたかを順番に確認する

親への聞き取りでは、行動段階を分けることが重要です。
メールやSMSを開いただけの場合と、リンク先でカード番号や銀行情報を入力した場合では、必要な対応が大きく変わります。

最初からすべてを聞こうとせず、開いた、押した、入力した、電話した、アプリを入れた、送金した、という順番で確認します。
この順番にすると、緊急度が高い行動を見落としにくくなります。

・開いただけかリンクを押したか
・名前や電話番号を入力したか
・カード情報を入力したか
・銀行情報や暗証番号を入力したか
・認証コードを伝えたか
・電話やアプリ操作をしたか
・送金や振込まで進んだか

開いただけかリンクを押したか

まず確認するのは、メールやSMSを見ただけなのか、リンクを押したのかです。
「開いた」と「押した」は同じではありません。

聞く時は、次のように分けます。

  1. メールやSMSを開いた?
  2. 中の青い文字やボタンを押した?
  3. 添付ファイルを開いた?
  4. 開いた先で何か入力した?
  5. アプリを入れる画面になった?

メールやSMSを開いただけで、リンクを押していない、返信していない、電話していない、情報を入力していないなら、まず追加操作を止めます。
画面を消す前に、送信元、件名、日時、本文が分かるようにスクリーンショットを残します。

リンクを押した場合は、次に「入力したか」「アプリを入れたか」「電話したか」を確認します。
この先の行動で対処が変わるため、リンクを押したこと自体を責めるより、その後の操作を聞くことが大切です。

親がSMSを開いただけなのか、リンクまで押したのか不安な時は、怪しいSMSのリンクを押した後の対処も参考になります。

名前や電話番号を入力したか

リンク先で、住所、氏名、電話番号、生年月日などを入力している場合があります。
カード番号や銀行情報ほど急いで停止手続きが必要とは限りませんが、放置してよいとは言い切れません。

親には、次のように聞きます。

・名前を入れた?
・住所を入れた?
・電話番号を入れた?
・メールアドレスを入れた?
・生年月日を入れた?
・家族構成や勤務先のような情報を入れた?

住所や電話番号を入力していると、後日、別の電話やSMSが来る可能性があります。
同じ相手から追加の連絡が来た時に、親が一人で対応しないように家族で共有しておきます。

この段階では、相手へ訂正や削除依頼をしようとして再度連絡する必要はありません。
不審なメールやSMSのリンク先に戻るのではなく、今後の連絡に反応しないことを優先します。

カード情報を入力したか

クレジットカード番号を入力した場合は、緊急度が上がります。
親には「カードを使った?」ではなく、入力した項目を具体的に聞きます。

確認する項目は、次の通りです。

・カード番号を入れたか
・有効期限を入れたか
・カード裏面などのセキュリティコードを入れたか
・本人認証の画面で何か入力したか
・SMSやアプリに届いた認証コードを入れたか
・カードの写真を送ったか

カード情報を入力していた場合は、カード会社の公式アプリや公式窓口で、利用明細、不審利用、利用停止、再発行の相談をします。
メールやSMS内のリンクからカード情報を確認し直すのは避けます。

親が「少額だったから大丈夫」と言っても、カード情報そのものが相手に渡っている可能性があります。
金額の大小だけで判断せず、カード会社側で確認することが大切です。

カード番号を入力してしまった場合の確認順は、クレジットカード番号を入力してしまった時の連絡先と確認順で詳しく確認できます。

銀行情報や暗証番号を入力したか

銀行口座、キャッシュカード、暗証番号、インターネットバンキング情報を入力した場合は、特に注意が必要です。
この段階では、家族だけで判断せず、金融機関の公式窓口に相談する流れを優先します。

親には、次の項目を落ち着いて聞きます。

・銀行名を入れたか
・支店名や口座番号を入れたか
・キャッシュカードの番号を入れたか
・暗証番号を入れたか
・インターネットバンキングのIDやパスワードを入れたか
・ワンタイムパスワードを入れたか
・相手の指示で振込や送金をしたか

警視庁は、フィッシングで聞き出される情報として、クレジットカード番号、キャッシュカード番号、暗証番号、住所、氏名、電話番号、オンラインバンキングのIDやパスワードなどを挙げています。
また、金融機関がメールでカード番号や暗証番号を聞くことはないと案内しています。(出典:警視庁公式サイト

銀行情報や暗証番号を入力していた場合は、金融機関の公式窓口で、ログイン停止、取引確認、暗証番号変更、口座保護の相談をします。
相手から教えられた電話番号や、メール内リンクからの連絡は避けてください。

銀行口座や暗証番号を入力してしまった時は、銀行口座や暗証番号を入力してしまった時の確認手順も確認先の整理に役立ちます。

認証コードを伝えたか

見落としやすいのが、SMSやアプリに届いた認証コードです。
親は「カード番号は入れていない」と言っていても、電話で相手に数字を伝えていることがあります。

聞く時は、次のように具体的にします。

・SMSに届いた数字を画面に入力した?
・電話の相手に数字を読み上げた?
・ワンタイムパスワードと書かれた数字を入れた?
・本人確認コードを伝えた?
・アプリに表示された番号を相手に教えた?

認証コードは、本人確認や決済、ログインに使われることがあります。
相手に伝えた場合、アカウントや決済に関わる可能性があるため、関連するサービスの公式アプリや公式サイトで確認します。

親には「数字を言っただけなら大丈夫」と考えさせないようにします。
責める必要はありませんが、届いた数字を相手に伝えたかどうかは早めに確認してください。

認証コードを入力した、または相手に伝えた可能性がある場合は、認証コードを入力してしまった時に最初に確認することで確認項目を整理できます。

電話やアプリ操作をしたか

メールやSMSのリンクだけでなく、相手に電話してしまった場合や、電話しながらアプリ操作をした場合も確認が必要です。
特に、相手の指示でアプリを入れた、画面共有をした、遠隔操作のような状態になった場合は注意します。

親には、次のように聞きます。

・相手に電話した?
・相手から電話が来た?
・通話しながらスマホを操作した?
・アプリを入れるように言われた?
・画面を見せる、共有するように言われた?
・相手の言う通りに銀行やカードのアプリを開いた?
・何か番号やパスワードを読み上げた?

不審なアプリを入れた可能性がある場合は、相手との通話を切り、追加操作を止めます。
通信を切る、アプリ名を確認する、必要に応じて専門窓口へ相談するなど、被害拡大を防ぐ対応が必要です。

この段階で大切なのは、親だけで削除や再操作を進めさせないことです。
金融アプリや決済アプリを操作していた場合は、利用履歴や取引履歴の確認も必要になります。

送金や振込まで進んだか

送金、振込、ATM操作、インターネットバンキング操作まで進んでいる場合は、緊急度が高くなります。
親には、落ち着いて金額や方法を聞きます。

確認することは、次の通りです。

・いくら送ったか
・いつ送ったか
・どこから送ったか
・ATM、銀行窓口、ネットバンキングのどれを使ったか
・振込先や送金先の情報が残っているか
・相手から何と言われたか
・まだ追加で送るように言われているか

ここで大切なのは、相手との連絡を続けないことです。
「次の手続きが必要」「返金するには追加で必要」などと言われても、家族だけで応じず、金融機関や警察へ相談します。

親が送金を隠したがることもあります。
その場合も、「どうして送ったの」と責めるより、「止められる手続きがあるかもしれないから、時間と金額だけ先に教えて」と聞く方が確認しやすくなります。

警察や家族を名乗る連絡の聞き方

詐欺メールやSMSだけでなく、警察官、家族、金融機関、事業者を名乗る電話にも注意が必要です。
特に「警察を名乗る」「家族のトラブルを装う」「誰にも言うなと言う」ケースでは、親が強い不安を感じ、家族へ相談しにくくなることがあります。

この章では、相手の名乗りに引っ張られず、親から必要な情報を聞くための確認ポイントを扱います。
本物かどうかをその場で決めつけず、相手から教えられた連絡先ではなく、別の安全な経路で確認することが大切です。

・警察を名乗る電話で聞くこと
・オレオレ詐欺で確認する言葉
・「誰にも言うな」と言われた時
・相手の番号に折り返さない
・相談前に残す情報

警察を名乗る電話で聞くこと

警察を名乗る電話があった場合、親は「本当に警察なら従わないといけない」と思い込むことがあります。
そのため、家族は相手の肩書きではなく、言われた内容を確認します。

親に聞くことは、次の通りです。

・どこの警察と言っていたか
・担当部署や名前を言っていたか
・何の事件や捜査と言っていたか
・口座やカードの話が出たか
・SNSやビデオ通話で話すように言われたか
・お金を移す、振り込む、預けるように言われたか
・誰にも言わないように言われたか

警視庁は、警察官等をかたる詐欺で、SNSやビデオ通話で連絡を取ることはないと案内しています。
また、相手の所属、担当部署、氏名、内線番号を確認し、最寄りの警察署へ連絡するよう案内しています。(出典:警視庁公式サイト

親が通話中の場合は、相手と話し続けさせず、いったん電話を切るように伝えます。
その後、相手から聞いた番号ではなく、別の安全な方法で警察相談や最寄りの警察署につなぎます。

オレオレ詐欺で確認する言葉

家族や親族を名乗る電話では、親が「助けなければ」と焦ってしまうことがあります。
この時も、「本当に息子だったの?」と問い詰めるより、会話の内容を確認する方が有効です。

聞く項目は、次の通りです。

・誰を名乗っていたか
・声が違う理由を説明されたか
・事故、会社のお金、トラブルなどの話が出たか
・すぐにお金が必要と言われたか
・代理人が取りに行くと言われたか
・家族に言わないように言われたか
・ATMや銀行へ行くように言われたか

親が「本人だと思った」と言っても、そこを責めないようにします。
相手は不安や焦りを利用して、家族に相談する前に動かそうとします。

聞き方は、「どうして信じたの?」ではなく、「どんな急ぎの話だった?」「お金の話は出た?」「誰にも言うなと言われた?」に変えます。
この方が、送金や受け渡しに進んでいないかを確認しやすくなります。

今後に備えるなら、家族だけで分かる合言葉を決めておくのも有効です。
ただし、合言葉だけで完全に防げると考えず、金銭やカードの話が出たら一度切って家族へ確認するルールを作る方が安全です。

「誰にも言うな」と言われた時

「誰にも言うな」「家族に話すと大変なことになる」「捜査に支障が出る」と言われた場合は、注意が必要です。
この言葉は、親を家族から切り離し、一人で判断させる方向に働きます。

親には、次のように聞きます。

・家族に言わないように言われた?
・銀行に理由を言うなと言われた?
・警察や役所に相談するなと言われた?
・電話を切らないように言われた?
・今も連絡が続いている?

この時、親を責める必要はありません。
「その言葉が出たなら、一人で対応しなくていいよ」と伝えます。

相手が警察、家族、金融機関、事業者を名乗っていても、家族や公的窓口への相談を止めるような言い方が出た時は、一度距離を置きます。
親が通話中なら、まず電話を切ることを優先します。

相手の番号に折り返さない

電話番号が表示されていると、親は「番号が出ているから本物」と感じることがあります。
しかし、表示された番号だけで安全とは判断できません。

警察庁は、実在する警察署などの電話番号を偽装表示する手口について注意を呼びかけています。
相手から教えられた番号に折り返さず、警察相談専用電話#9110などへ相談することが案内されています。(出典:警察庁公式サイト

親には、次のように伝えると分かりやすくなります。

「相手の番号にかけ直さなくて大丈夫」
「電話はいったん切って、別の方法で確認しよう」
「相手が教えた番号ではなく、こちらで安全な窓口を見よう」
「今の電話の相手には、これ以上何も伝えないで」

折り返しを続けると、相手の話に巻き込まれやすくなります。
確認する時は、相手から届いたSMS、メール、電話番号を使わず、公式サイトや公的窓口など別経路を使うことが大切です。

相談前に残す情報

警察や消費生活相談、カード会社、金融機関へ相談する前に、分かる範囲で情報を残しておきます。
すべて完璧にそろえる必要はありませんが、記録があると状況を伝えやすくなります。

残す情報は、次の通りです。

・連絡が来た日時
・メール、SMS、電話などの連絡手段
・相手の名乗り
・表示された電話番号やメールアドレス
・届いた本文や画面のスクリーンショット
・押したリンク
・入力した情報
・伝えた認証コード
・カードや銀行の名前
・送金や振込の有無
・入れたアプリ名
・通話履歴

親の記憶が曖昧でも、画面や履歴に残っていることがあります。
「覚えていないなら無理」と終わらせず、一緒にスマホや明細を見ます。

相談する時は、最初から長く説明しようとしなくても大丈夫です。
「親が不審なSMSのリンクを押したかもしれない」「カード番号を入れた可能性がある」「警察を名乗る電話で銀行の話をされた」といった形で、分かっている行動から伝えると進めやすくなります。

被害を広げないために家族で決めること

親から状況を聞いた後は、被害を広げないための対応に移ります。
ここでも大切なのは、親を責める反省会にしないことです。

今後同じようなメール、SMS、電話が来た時に、親が一人で判断しない仕組みを作ります。
カード、銀行、認証コード、電話、アプリ、送金に関するルールを家族で決めておくと、次の不安を減らしやすくなります。

・メール内リンクを開き直さない
・カード会社や銀行へつなぐ
・警察相談と消費者相談の使い分け
・次に迷った時の合言葉
・電話とスマホの予防設定を見直す

メール内リンクを開き直さない

親が「本物かどうかもう一度見てみる」と言って、メールやSMS内のリンクを開き直すことがあります。
これは避けた方が安全です。

確認する時は、届いたリンクではなく、公式アプリ、ブックマーク済みの公式サイト、カード明細、注文履歴、利用履歴などから見ます。
不審なメールやSMSの差出人欄、表示名、本文だけで本物かどうかを決めつけないようにします。

親には、次のように伝えます。

「そのリンクはもう押さなくていいよ」
「本物かどうかは、公式アプリから見よう」
「メールに書いてある電話番号にはかけないでおこう」
「画面は残して、操作は止めよう」

フィッシング対策では、IDやパスワードの使い回しを避けること、迷惑メッセージブロック機能を活用することなども案内されています。(出典:警察庁公式サイト

リンクを開き直して確認するより、正規の入口から確認する方が安全です。
家族が一緒に見る場合も、メール内リンクを使わず、公式側から入る流れにしてください。

カード会社や銀行へつなぐ

カード番号や銀行情報、暗証番号、認証コードを入力した可能性がある場合は、家族だけで判断しないようにします。
本人が「大丈夫」と言っていても、公式窓口へつなぐことを優先します。

カード会社へ相談する目安は、次のような場合です。

・カード番号を入力した
・有効期限やセキュリティコードを入力した
・カードの本人認証をした
・不審な利用明細がある
・カード情報を相手に電話で伝えた

銀行へ相談する目安は、次のような場合です。

・口座番号を入力した
・暗証番号を入力した
・インターネットバンキング情報を入力した
・ワンタイムパスワードを入力した
・振込や送金をした
・相手の指示で銀行アプリを操作した

親に任せきりにせず、家族が横で状況を一緒に整理します。
ただし、本人確認が必要な手続きでは、親本人が電話やアプリ操作をする必要がある場合があります。
その時も、相手から届いたリンクや電話番号ではなく、カード会社や金融機関の公式窓口から進めます。

警察相談と消費者相談の使い分け

詐欺かもしれない時の相談先は、一つだけではありません。
内容によって、警察相談、消費生活相談、フィッシング情報の報告を使い分けます。

警察相談が向いているのは、次のような場合です。

・警察や家族を名乗る電話があった
・送金や振込をしてしまった
・脅しや強い指示を受けている
・相手との連絡が続いている
・犯罪被害の可能性がある

消費者ホットライン188が向いているのは、消費者トラブルとして相談したい場合です。
188は、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する全国共通番号です。
相談自体は無料ですが、相談窓口につながった時点から通話料金が発生します。(出典:消費者庁公式サイト

警察相談専用電話#9110は、犯罪や事故に至る前の相談を受ける窓口です。
受付時間や対応は地域によって異なるため、緊急の事件や事故の場合は110番と分けて考えます。

フィッシングメールやSMSの情報提供は、フィッシング対策協議会の報告窓口が使えます。
被害相談、消費者相談、フィッシング情報の報告は役割が違うため、親の状況に合わせて選びます。

次に迷った時の合言葉

一度不安なことが起きた後は、次に同じような連絡が来た時のルールを決めておくと安心です。
ここでも、親を責める言い方は避けます。

家族で決めるルールは、シンプルなものが向いています。

・カードや銀行の話が出たら、先に家族へ連絡する
・認証コードは誰にも伝えない
・警察を名乗る電話でも、一度切って確認する
・家族を名乗る電話でお金の話が出たら、別の電話で本人確認する
・「誰にも言うな」と言われたら、必ず家族に言う
・迷ったらスクショを送る

合言葉を決める場合は、親が覚えやすいものにします。
ただし、合言葉だけに頼りすぎないようにします。
金銭、カード、銀行、認証コード、アプリ操作の話が出たら、合言葉よりも「一度止まる」ことを優先します。

親には、「次から気をつけて」だけで終わらせない方が伝わります。
「この言葉が出たら電話して」「この画面が出たらスクショを送って」という具体的なルールにすると、実際の場面で動きやすくなります。

電話とスマホの予防設定を見直す

聞き取りと相談が終わったら、再発防止を考えます。
ただし、セキュリティアプリや機器を入れれば完全に防げる、という言い方は避けます。
親が迷った時に一人で進めない仕組みを作ることが大切です。

固定電話をよく使う親なら、防犯機能付き電話の検討が役立つ場合があります。
警察庁は、防犯機能付き電話の機能として、着信前の警告メッセージ、自動録音、非通知拒否、未登録番号への注意喚起などを案内しています。(出典:警察庁公式サイト

スマホでは、迷惑メッセージ対策や、公式アプリでの通知確認、パスワードの使い回し見直しを家族で一緒に行います。
細かい画面操作は、スマホの機種や携帯会社、アプリによって変わるため、公式ヘルプや公式アプリの案内に沿って進めます。

最後に、親へ次のように伝えておくと、次回の相談につながりやすくなります。

「また似たメールが来たら、押す前に送って」
「怒らないから、迷ったら先に聞いて」
「カードや銀行の話が出たら、一人で進めないで」
「電話で急がされたら、一度切ってから相談して」

詐欺被害の確認は、親を責めるためのものではありません。
家族が責めずに聞ける状態を作ることが、カード、銀行、スマホ、今後の生活を守る第一歩になります。

記事のまとめ

・最初は詐欺かどうかより何をしたかを確認する
・親には怒っていないことを先に伝える
・大丈夫かではなく行動ごとに具体的に聞く
・リンクを押したか入力したかを分けて確認する
・カード情報を入れた時は公式窓口へつなぐ
・銀行情報や暗証番号の入力は早めに相談する
・認証コードを伝えたかどうかも必ず確認する
・電話やアプリ操作があれば追加操作を止める
・送金や振込がある時は相手との連絡を続けない
・警察を名乗る電話でも相手の番号へ折り返さない
・誰にも言うなと言われた時は一人で対応させない
・相談前に日時や画面や通話履歴を残しておく
・メール内リンクを開き直さず公式側から確認する
・次に迷った時の合言葉を家族で決めておく
・責めない聞き方が被害拡大を防ぐ第一歩になる

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