遠隔操作アプリを入れてしまった時は、まず通信を切り、相手とのやり取りを止めることが大切です。
アプリを削除する前に、接続を許可したか、支払いをしたか、カード番号や銀行情報、IDやパスワードを入力したかを分けて確認すると、次に取るべき行動が見えやすくなります。
この記事では、遠隔操作アプリを入れてしまった時の初動対応、端末別の削除方法、入力や支払いをした場合の確認順、相談前に残す記録まで整理します。
不安な時ほど、画面内の番号や相手の案内に戻らず、安全な確認先へ進むことが大切です。
・遠隔操作アプリを入れた直後に最初にすること
・パソコンやスマホでアプリを確認して削除する流れ
・カード番号や銀行情報を入力した時の確認順
・相談前に残す記録と家族で決める再発防止ルール
遠隔操作アプリを入れてしまった時に最初にすること
遠隔操作アプリを入れてしまった時は、アプリを削除する前に、まず相手とのつながりを止めることが大切です。
偽の警告画面やサポートを名乗る相手の指示で入れた場合は、削除作業中にも追加の操作を求められるおそれがあります。
この段階では、落ち着いて「今も接続しているか」「何を許可したか」「何を入力したか」を分けて考えます。
同じ遠隔操作アプリでも、入れただけの場合と、相手に接続コードを伝えた場合、支払いや情報入力まで進んだ場合では、次に取るべき行動が変わります。
・まず通信を切って操作を止める
・相手に再連絡しない
・入れただけか許可したかを分ける
・支払いと入力の有無を確認する
・削除前に残しておく情報
まず通信を切って操作を止める
最初にすることは、端末をインターネットから切り離すことです。
パソコンならWi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜くなどして、外部から操作されにくい状態にします。
スマホなら機内モードにする、Wi-Fiを切るなどの方法で通信を止めます。
通話中やチャット中であれば、相手の指示に従って操作を続けないでください。
「削除を手伝う」「返金する」「安全確認をする」と言われても、その相手が偽警告や不審な案内からつながった相手なら、追加の操作は止めた方が安全です。
遠隔操作アプリは、正規のサポートや業務で使われることもあります。
ただし、突然表示された警告画面や電話番号から誘導されて入れた場合は、アプリ名だけではなく、誘導された流れを重く見てください。
警察庁も、サポート詐欺では偽の警告画面から電話をかけさせ、ソフトウェアのインストールや支払いへ誘導する手口に注意を呼びかけています。
(出典:警察庁公式サイト)
相手に再連絡しない
遠隔操作アプリを入れた後に不安になっても、警告画面に表示された番号や、相手から教えられた連絡先へ再度連絡しないでください。
相手に連絡を続けると、追加のアプリ、支払い、返金手続き、本人確認などを理由に、さらに操作を進められる可能性があります。
特に避けたい行動は次のとおりです。
・相手の指示で追加アプリを入れる
・遠隔操作の接続コードを伝える
・警告画面に表示された番号へ折り返す
・電子マネーやギフトカードを買う
・カード番号、暗証番号、認証コードを伝える
・ネットバンキングや決済画面を相手に見せる
「返金するので操作してください」と言われた場合も注意が必要です。
返金や解約の話に見せかけて、別の支払い画面や銀行画面を開かせる流れになることがあります。
相手とのやり取りを止めたら、家族、カード会社、金融機関、警察、消費生活センターなど、信頼できる相手に相談する準備へ進みます。
相談する時は、相手の指示を再現しようとして操作を続ける必要はありません。
偽の警告画面から電話してしまった流れがある場合は、「ウイルス感染」と表示されて電話してしまった時の対処もあわせて確認すると、電話後に整理する内容が分かりやすくなります。
入れただけか許可したかを分ける
遠隔操作アプリを入れてしまった時は、「入れただけ」なのか、「相手に操作を許可した」のかを分けて考えます。
ここを混同すると、必要以上に不安になったり、逆に必要な確認を見落としたりします。
まず、次の点を思い出してください。
・アプリをインストールしただけか
・アプリを起動したか
・接続コードや番号を相手に伝えたか
・画面共有や遠隔操作を許可したか
・相手が画面上で操作している様子があったか
・アクセシビリティ、画面収録、通知へのアクセスなどを許可したか
入れただけで、起動していない、接続コードを伝えていない、操作を許可していない場合は、まずアプリを削除し、権限や通知を見直します。
ただし、相手と通話しながら操作していた場合は、アプリを起動していた可能性や、画面を見せていた可能性もあります。
接続コードを伝えた、画面共有を許可した、相手が操作していた場合は、遠隔操作中に何を見せたかが重要です。
カード番号や銀行画面を入力していなくても、画面に表示しただけで見られた可能性を考えて確認します。
支払いと入力の有無を確認する
次に、遠隔操作中に支払いや情報入力をしたかを確認します。
アプリを削除するだけで終わらせてよいかどうかは、ここで大きく変わります。
次のどれかに当てはまる場合は、削除だけでなく、カード会社、金融機関、決済サービス、利用中のサービスの公式窓口で確認してください。
・クレジットカード番号を入力した
・カードの有効期限やセキュリティコードを入力した
・ネットバンキングにログインした
・暗証番号やワンタイムパスワードを入力した
・IDやパスワードを入力した
・電子マネーやギフトカードを買った
・電子マネーやギフトカードのコードを伝えた
・氏名、住所、電話番号などの個人情報を入力した
遠隔操作中は、入力した情報だけでなく、画面に表示した情報も見られている可能性があります。
メール、写真、住所録、ブラウザ保存パスワード、銀行画面、カード明細などを開いた場合は、その内容も相談時に伝えられるようにしておきます。
警察庁は、IDやパスワードを入力した場合のパスワード変更や、金融機関・クレジットカード会社への相談を案内しています。
(出典:警察庁公式サイト)
削除前に残しておく情報
遠隔操作アプリは早めに削除したいところですが、相談する可能性がある場合は、削除前に分かる範囲で情報を残しておくと説明しやすくなります。
ただし、記録のために相手との接続を続ける必要はありません。
通信を切ることを優先してください。
残しておきたい情報は次のとおりです。
・入れたアプリ名
・インストールした日時
・表示された警告画面のスクリーンショット
・電話した番号
・相手に伝えた接続コード
・相手から言われた内容
・支払い画面を開いたか
・入力した情報の種類
・カード明細や銀行取引履歴
・電子マネーやギフトカードのレシート
アプリ名が分からない場合は、アプリのアイコンや画面の写真でも役立つことがあります。
スマホでスクリーンショットを撮るのが難しい場合は、別の端末で画面を撮影する方法でも構いません。
記録を残した後は、端末別にアプリの確認と削除へ進みます。
遠隔操作アプリに限らず、不審なアプリを入れた時の流れを広く確認したい場合は、不審なアプリを入れてしまった時の安全な対処手順も参考になります。
端末別にアプリを確認して削除する
遠隔操作アプリを削除する時は、パソコン、iPhone、Androidで確認する場所が違います。
どの端末でも共通するのは、見覚えのないアプリだけでなく、相手に入れるよう言われたアプリ、直近で追加されたアプリ、画面共有やサポートを名乗るアプリを重点的に見ることです。
ここでは、端末ごとに確認する場所と、削除後に見直したい権限や通知を分けて扱います。
特定のアプリ名を危険なものとして決めつけるのではなく、入れた経緯と許可した内容を一緒に確認してください。
・パソコンで入ったアプリを探す
・Windowsでアプリを削除する
・iPhoneでアプリを削除する
・Androidでアプリを削除する
・削除後に権限と通知を見直す
パソコンで入ったアプリを探す
パソコンで遠隔操作アプリが入っているかを見たい時は、インストール済みアプリの一覧を確認します。
探す時は、アプリ名だけに頼らず、インストールした時期や、相手から言われた言葉を手がかりにします。
確認したいポイントは次のとおりです。
・最近追加されたアプリがあるか
・相手に「サポート用」と言われて入れたアプリがあるか
・画面共有やリモート操作に関係しそうなアプリがあるか
・起動すると接続コードや許可画面が出るアプリがあるか
・偽警告の電話中に入れた覚えがあるか
「遠隔操作アプリ一覧」のように、名前だけで危険かどうかを判断しようとすると、正規のサポート用アプリまで誤って危険と決めつけてしまうことがあります。
重要なのは、知らない相手の指示で入れたか、接続を許可したか、遠隔操作中に何を見せたかです。
偽警告の画面がまだ残っている場合は、画面内のボタンや電話番号を使わず、ブラウザを閉じる、必要に応じて強制終了する、端末を再起動するなどの対応を取ります。
警告画面が表示されたことと、本当にウイルス感染していることは同じではありません。
Windowsでアプリを削除する
Windowsでは、設定からインストール済みアプリを開き、該当するアプリを選んでアンインストールします。
Microsoftの公式サポートでも、Windowsでアプリやプログラムをアンインストールまたは削除する手順が案内されています。
(出典:Microsoft サポート)
削除する前に、アプリ名をメモしておくと、警察や消費生活センターへ相談する時に説明しやすくなります。
画面にアプリ名が表示されている場合は、スマホなど別の端末で撮影しても構いません。
Windowsでの大まかな流れは次のとおりです。
- 通信を切る。
- インストール済みアプリの一覧を開く。
- 最近入れたアプリや相手に指示されたアプリを探す。
- アプリ名をメモする。
- 該当アプリをアンインストールする。
- 削除後に再起動する。
- 支払い、入力、表示した画面を確認する。
アンインストールできない場合や、削除しても不審な動作が続く場合は、自己判断で何度も操作を繰り返すより、警察や消費生活センター、端末の管理者へ相談する準備を進めます。
iPhoneでアプリを削除する
iPhoneでは、ホーム画面やアプリライブラリで対象アプリを長押しし、「アプリを削除」を選んで削除します。
Appleの公式サポートでも、iPhoneやiPadでアプリを削除する手順が案内されています。
(出典:Apple サポート)
注意したいのは、ホーム画面から取り除くだけでは、アプリ本体が残る場合があることです。
見た目からアイコンが消えても、アプリライブラリや設定内に残っている可能性があります。
iPhoneで確認する時は、次の流れで見てください。
- 通信を切る。
- ホーム画面やアプリライブラリで直近に入れたアプリを探す。
- 相手に言われて入れたアプリ名を確認する。
- 「アプリを削除」まで進む。
- 削除後に、不審な許可や通知が残っていないか見直す。
- 遠隔操作中に入力した情報や見せた画面を確認する。
スマホの場合、画面共有やサポートを名乗るアプリだけでなく、相手の指示で入れた覚えがあるアプリ全般を確認対象にします。
削除した後も、カード番号、銀行情報、IDやパスワードを入力していた場合は、各サービスの公式窓口での確認が必要です。
Androidでアプリを削除する
Androidでは、Google Playの「アプリとデバイスの管理」から対象アプリを選び、アンインストールする方法が案内されています。
GoogleのAndroidヘルプでも、Androidデバイスでアプリを削除する手順が示されています。
(出典:Google Android ヘルプ)
Androidでも、ホーム画面からアイコンを消すことと、アプリ本体をアンインストールすることは別の場合があります。
アイコンが見えなくなっただけで安心せず、アプリ一覧や管理画面で残っていないかを確認します。
Androidで確認する時は、次の点を見ます。
・最近追加されたアプリ
・相手に入れるよう言われたアプリ
・画面共有やサポートに関係しそうなアプリ
・アクセシビリティに関係する許可
・通知や画面表示に関係する許可
Androidは機種によって画面の名前が少し変わることがあります。
本文では個別機種ごとの細かい画面名には踏み込みませんが、考え方は同じです。
直近で入れたアプリ、相手に指示されたアプリ、強い権限を持つアプリを優先して確認します。
削除後に権限と通知を見直す
遠隔操作アプリを削除した後は、権限や通知も見直します。
削除だけで終わらせると、不審な通知や偽警告が続いた時に、何が残っているのか分からなくなることがあります。
見直したい項目は次のとおりです。
・画面共有に関係する許可
・アクセシビリティに関係する許可
・画面収録に関係する許可
・通知へのアクセス
・ブラウザの通知許可
・最近追加されたアプリの権限
・見覚えのないアプリの権限
偽警告のような通知が繰り返し出る場合は、遠隔操作アプリそのものではなく、ブラウザ通知が原因のこともあります。
その場合は、ブラウザの通知設定を見直します。
ただし、権限を見直しただけで、入力済みのカード番号や銀行情報の問題が消えるわけではありません。
遠隔操作中に何を入力したか、何を見せたかを次に確認してください。
入力や支払いをした時の確認順
遠隔操作アプリを削除しても、遠隔操作中に入力した情報や見せた画面の影響は残る場合があります。
ここでは、カード番号、銀行情報、IDやパスワード、個人情報、電子マネー、会社や家族の端末に分けて確認します。
大切なのは、アプリ削除を終点にしないことです。
お金やアカウントに関わる情報を入力した場合は、公式アプリ、ブックマーク済み公式サイト、カード会社や金融機関の公式窓口から確認してください。
・カード番号を入れた場合
・銀行情報を入れた場合
・IDとパスワードを入れた場合
・個人情報を見せた場合
・電子マネーを求められた場合
・会社や家族の端末で起きた場合
カード番号を入れた場合
クレジットカード番号を入力した場合は、カード会社の公式窓口で相談してください。
カード番号、有効期限、セキュリティコード、本人認証に関わる情報を入力した場合は、利用停止や再発行、不正利用の確認が必要になることがあります。
遠隔操作中にカード番号を入力していなくても、カード情報の画面を開いた、カードをカメラに映した、明細画面を見せた場合は、安全側で考えます。
相手が画面を見ていた可能性があるためです。
確認する順番は次のとおりです。
- カード会社の公式窓口へ連絡する。
- 遠隔操作アプリを入れた経緯を伝える。
- カード番号や認証情報を入力したかを伝える。
- 利用停止や再発行が必要か相談する。
- 利用明細に覚えのない請求がないか確認する。
- 今後の不審な請求にも注意する。
カード会社の連絡先は、警告画面や相手から聞いた番号ではなく、カード裏面、公式アプリ、ブックマーク済み公式サイトなどから確認してください。
クレジットカード番号を入力した場合の確認順を詳しく分けたい時は、クレジットカード番号を入力してしまった時の連絡先と確認順も役立ちます。
銀行情報を入れた場合
銀行口座、ログインID、暗証番号、ワンタイムパスワード、認証アプリの承認操作を相手に見せた、入力した、指示された場合は、金融機関の公式窓口へ相談してください。
遠隔操作中にネットバンキングへログインした場合は、残高や取引画面を見られた可能性もあります。
特に注意したいのは、相手の指示で認証操作をした場合です。
「確認だけ」「返金のため」と言われても、暗証番号や認証情報を使った操作は金銭被害につながることがあります。
銀行情報を扱った場合は、次の順番で進めます。
- 金融機関の公式窓口へ連絡する。
- 遠隔操作中にログインしたかを伝える。
- 暗証番号や認証情報を入力したかを伝える。
- 認証アプリで承認操作をしたかを伝える。
- 取引履歴に覚えのない動きがないか確認する。
- 必要な停止や変更の対応を相談する。
金融機関の連絡先も、相手から教えられた番号ではなく、公式アプリ、ブックマーク済み公式サイト、手元の公式書類などから確認します。
不安な時ほど、画面内の番号や相手の案内に戻らないことが大切です。
IDとパスワードを入れた場合
IDやパスワードを入力した場合は、そのサービスの公式アプリやブックマーク済み公式サイトからパスワードを変更します。
遠隔操作アプリを削除し、相手との接続を止めた後に行ってください。
同じIDとパスワードを他のサービスでも使っている場合は、そのサービスも変更対象になります。
ひとつのサービスだけ変更しても、同じ組み合わせが別の場所で使われていると、不正ログインのきっかけになることがあります。
確認したい項目は次のとおりです。
・どのサービスのIDとパスワードを入力したか
・同じパスワードを他でも使っていないか
・ログイン履歴に覚えのない動きがないか
・登録メールアドレスや電話番号が変えられていないか
・追加の認証設定を見直せるか
変更作業は、相手から送られたリンクや警告画面のリンクから行わないでください。
公式アプリやブックマーク済み公式サイトから入り直すことで、不審な画面で再入力してしまうリスクを避けやすくなります。
個人情報を見せた場合
氏名、住所、電話番号、生年月日、勤務先などを入力した場合や、遠隔操作中に画面で見せた場合は、すぐに金銭被害が起きるとは限りません。
ただし、後から不審な電話、SMS、メール、なりすましの連絡が来る可能性があります。
特に注意したいのは、同じ相手や似た相手から再び連絡が来るケースです。
「手続きが途中です」「返金します」「本人確認が必要です」と言われても、追加の情報や支払いをしないでください。
個人情報を見せた場合は、次のように備えます。
・知らない番号からの電話に出る時は慎重にする
・SMSやメール内のリンクを押さない
・本人確認情報を追加で伝えない
・家族にも状況を共有する
・不審な請求や通知が来たら記録する
・同じ相手へ折り返さない
個人情報だけで終わっている場合でも、カード情報や銀行情報を別の画面で見せていないかを一緒に思い出してください。
遠隔操作中は、画面に表示したものが相手に見えていた可能性があります。
電子マネーを求められた場合
サポート料金や修理費用の名目で、電子マネーやギフトカードの購入を求められることがあります。
購入していないなら、そのまま中止してください。
購入しただけで、まだコードを伝えていない場合は、コードを伝えないでください。
コードを相手に伝えた場合は、レシート、カード、相手とのやり取り、購入日時、購入店舗などを残します。
そのうえで、購入店舗、発行会社、警察、消費生活センターへ相談するための情報を整理します。
電子マネーを求められた時に避けたい行動は次のとおりです。
・コード番号を写真で送る
・コード番号を口頭で伝える
・追加で別のカードを買う
・返金のためと言われて銀行画面を開く
・相手の指示で決済アプリを操作する
大阪府警察も、サポート詐欺で電子マネー購入やコード送信へ誘導される手口に注意を呼びかけています。
(出典:大阪府警察公式サイト)
会社や家族の端末で起きた場合
会社、学校、家族共用の端末で遠隔操作アプリを入れてしまった場合は、自分だけで判断して操作を続けないでください。
業務端末では、保存ファイル、社内システム、メール、取引先情報に影響する可能性があります。
会社や学校の端末なら、管理者や担当者へ早めに伝えます。
怒られるのが怖くても、時間がたつほど状況の整理が難しくなることがあります。
家族共用の端末なら、家族に次の情報を共有します。
・いつ警告が出たか
・誰に電話したか
・何というアプリを入れたか
・遠隔操作を許可したか
・どの画面を開いたか
・支払いをしたか
・カードや銀行情報を入力したか
家族の端末では、本人以外のメール、写真、保存済みパスワード、決済情報が表示されていた可能性もあります。
「自分の情報だけ」と決めつけず、端末を使っている人全員に関係する情報が見られていないかを考えます。
相談と再発防止で確認すること
遠隔操作アプリの削除と入力情報の確認が終わったら、必要に応じて相談先へつなげます。
相談する時は、何が起きたかを時系列で説明できるようにしておくと、対応が進みやすくなります。
また、今回の対応だけで終わらせず、偽警告を見た時の行動、家族への相談ルール、今後の端末設定も見直します。
不安をあおる必要はありませんが、次に同じ画面が出た時に迷わない準備は大切です。
・相談前に残す記録
・警察や消費生活センターへ相談する
・家族が聞くことと伝え方
・偽警告をもう一度出さないために
・今後の相談ルールを決める
相談前に残す記録
警察、消費生活センター、カード会社、金融機関へ相談する前に、分かる範囲で記録をまとめます。
完璧でなくても構いません。
覚えていることを時系列で並べるだけでも役立ちます。
残しておきたい記録は次のとおりです。
・警告画面のスクリーンショット
・表示された電話番号
・電話した日時
・相手の名乗り
・インストールしたアプリ名
・相手に伝えた接続コード
・遠隔操作を許可した時間帯
・入力した情報
・支払い方法
・カード明細や銀行取引履歴
・電子マネーやギフトカードのレシート
アプリを削除した後でも、メモや写真が残っていれば状況を伝えやすくなります。
「何をしたか分からない」と感じる場合は、分かることだけで十分です。
無理に相手へ聞き直したり、再度同じ画面を開いたりする必要はありません。
遠隔操作中に情報を入力したか分からない場合は、「入力した情報」と「画面に表示した情報」を分けて思い出します。
入力していなくても、カード明細、銀行画面、メール、住所録などを開いていた場合は、相談時に伝えてください。
警察や消費生活センターへ相談する
サポート詐欺の疑いがある場合や、金銭被害、個人情報入力、遠隔操作の許可があった場合は、警察や消費生活センターへの相談を考えます。
警察庁は、サポート詐欺の被害に遭った場合、偽の警告画面やインストールしたソフトウェアが分かる資料を持って警察へ通報・相談するよう案内しています。
(出典:警察庁公式サイト)
消費生活センターは、請求、契約、返金、支払いに関する相談につなげやすい窓口です。
国民生活センターも、遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合のアンインストールや、不安な場合の相談先として消費生活センターやIPAを案内しています。
(出典:国民生活センター公式サイト)
相談する前に、次のように分けておくと話しやすくなります。
・端末に関する不安:遠隔操作アプリ、権限、削除できたか
・お金に関する不安:カード、銀行、電子マネー、決済
・アカウントに関する不安:ID、パスワード、ログイン履歴
・個人情報に関する不安:氏名、住所、電話番号、生年月日
・相手とのやり取り:電話、チャット、指示内容、再連絡の有無
カード会社や金融機関への連絡を後回しにしないことも大切です。
特にカード番号、銀行情報、暗証番号、認証情報を入力した場合は、相談先をひとつに絞らず、お金に関わる窓口へ早めに連絡してください。
家族が聞くことと伝え方
親や高齢の家族が遠隔操作アプリを入れてしまった場合は、責めずに状況を聞いてください。
本人も焦っていたり、だまされたと感じて言い出しにくくなっていたりします。
まずは、追加操作を止めることを優先します。
聞く順番は、次のようにすると整理しやすくなります。
- 今も相手と電話やチャットがつながっているか。
- どんな画面が出たか。
- 電話したか。
- 何というアプリを入れたか。
- 接続コードを伝えたか。
- 相手が画面を操作したか。
- カードや銀行情報を入力したか。
- 電子マネーやギフトカードを買ったか。
- どの端末で起きたか。
本人に「なんで押したの」と言うより、「今から一緒に止めよう」と伝える方が、必要な情報を聞き出しやすくなります。
本人だけで相手に再電話させないことも重要です。
離れて暮らしている場合は、画面のスクリーンショットや写真を送ってもらいます。
電話しながら、通信を切る、相手との通話を終える、カードや銀行の利用状況を家族と一緒に確認する、という順番で進めます。
偽警告をもう一度出さないために
偽警告や不審な通知が再び出ると、「まだ遠隔操作されているのでは」と不安になりやすくなります。
ただし、警告が出る原因は、遠隔操作アプリだけとは限りません。
ブラウザ通知や全画面表示のページが原因のこともあります。
再発防止として、次の点を見直します。
・OSやアプリを最新の状態にする
・知らない相手に遠隔操作を許可しない
・警告画面の番号へ電話しない
・ブラウザ通知を見直す
・不審なアプリが残っていないか確認する
・セキュリティ対策を過信しない
・同じ手口が出た時の相談先を決める
セキュリティソフトやアプリを入れれば完全に防げる、とは考えない方が安全です。
大切なのは、突然の警告画面、電話番号、遠隔操作の誘導、支払い要求が重なった時に、いったん操作を止めることです。
Microsoftを装う警告が表示された場合でも、画面内の番号へ電話しないことが大切です。
Microsoftも、サポート詐欺に関する注意喚起で、警告画面の番号へ電話しないことや、遠隔操作ソフトをインストールしないことを案内しています。
(出典:Microsoft 公式サイト)
今後の相談ルールを決める
遠隔操作アプリを入れてしまった後は、今後同じような画面が出た時の相談ルールを決めておくと安心です。
特に家族で使う端末や、高齢の家族がいる場合は、本人だけで判断しない仕組みを作っておくと再発防止につながります。
決めておきたいルールは次のとおりです。
・警告画面に電話番号が出ても電話しない
・遠隔操作アプリを入れる前に家族へ相談する
・カード番号や暗証番号は電話中に入力しない
・電子マネーやギフトカードを買う前に家族へ連絡する
・「返金する」と言われても銀行画面を開かない
・困った時の合言葉を決めておく
・スクリーンショットを送ってから相談する
家族間では、「何か変な画面が出たら怒らないから送って」と決めておくのが現実的です。
責められると思うと、本人が隠してしまい、対応が遅れることがあります。
一度でも遠隔操作アプリを入れてしまった経験がある場合は、同じような電話や画面に再び反応してしまう可能性があります。
端末の設定だけでなく、相談しやすい関係を作ることも大切な対策です。
記事のまとめ
・最初に通信を切り、相手との操作や通話を止める
・警告画面の番号や相手の連絡先へ再連絡しない
・入れただけか、接続や画面共有を許可したかを分ける
・接続コードを伝えた場合は見せた画面も確認する
・支払い画面やカード情報を開いたかを思い出す
・削除前にアプリ名や警告画面、電話番号を残す
・Windowsではインストール済みアプリから削除する
・iPhoneはホーム画面から取り除くだけで終わらせない
・Androidはアプリ一覧や管理画面で本体削除を確認する
・削除後は権限やブラウザ通知の設定も見直す
・カード番号を入れた時はカード会社へ相談する
・銀行情報や認証情報を入れた時は金融機関へ相談する
・IDとパスワードは公式アプリや公式サイトから変更する
・電子マネーのコードは購入後でも相手に伝えない
・会社や家族の端末なら管理者や家族へ早めに伝える
・相談前に日時、入力情報、支払い履歴、スクショを残す
・家族が対応する時は責めずに何をしたか順番に聞く
・今後は遠隔操作アプリを入れる前に相談するルールを作る
